青春に、寄り道中。
だって、仕事の邪魔はしたくないし。
「そうだ、歩夢は受験 終わったんだっけ?」
「うん、行きたいところの高校に受かったみたいよ」
そうなんだ。
じゃあ歩夢ももう4月から高校一年生なんだ……。
受験も終わったなら、近いうちに会えるといいな。
なんて思っていると、お母さんが「そうだ」となにか思いついたようにうれしそうに声をあげた。
「今度、連絡取ってみるわね」
「ほんと?!」
「ええ」
わたしが身を乗り出してそう聞くと、お母さんは優しそうに笑ってうなずいた。
歩夢はどんなふうになっているのかな。
きっと、背もわたしを追い越していたり、声も低くなっているんだろうなあ……。
歩夢にも、お父さんにも、会いたい。
4人でもう一度、笑いあいたい。
それが正直な気持ち。
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