青春に、寄り道中。



SHRが終わって、始業式に向けて体育館に移動を開始するまでは20分もある。


その間、なにしてようかな……。
そういえば高瀬くんは何組なんだろう?
てっきり同じクラスだと思ってた。


そんなことを思いながら、頬杖をついて窓の外に広がる青い景色を眺めてる。


すると、「ねえ、吉井さん」という声が聞こえて、顔を向ける。



「な、なに……?」



そこに立っていたのはひとりだけじゃなくて、おそらくクラスの半分以上の人たちがわたしの周りに集まっていて。


その光景を見て、思わずギョッとして目を見開いた。



「吉井さんって、どこから来たの?」

「えっと、東京……」

「ブレザーの制服っておしゃれだね!」

「あ、ありがとう」

「まだ制服届いてないの?」

「うん」



男の子は特になにも聞いて来ずにそこにいるだけだけど、女の子たちからどんどん質問が飛んでくる。


< 28 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop