青春に、寄り道中。







2月下旬。
今日は、久しぶりの部活。



「なんか、華純がいるのって久しぶりすぎて違和感しかないんだけど」



って、若菜が笑いながらそう言った。


1週間は来れていなかったかもしれない。
でもその理由を、若菜はべつに聞いてくることはなかった。


もしかしたら、高瀬くんが言ったのかな。
でも……勝手に言ったりする人じゃないもんね。



そろそろ若菜たちに、部活を休む理由を少しだけでも話さなきゃいけない。
じゃないと、心配かけちゃう。


なんて、そんなふうに思うのは自意識過剰かもしれないけど、若菜たちはこんなわたしを気にかけてくれる、優しい人たちだから。



「華純ちゃん、いる!?」



若菜とスタブロの設置をしていると、フェンスから大きな声が聞こえてきて、そっちに目をやった。


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