青春に、寄り道中。
部活が終わると、わたしは若菜に先に帰ってもらって、部室の中にいる高瀬くんを外で待っていた。
わたしと若菜は基本、着替えずに帰る。
だけど男子たちは部室で制服に着替えてから帰る人が多いんだ。
だから部室の中で待つことはできないし、外で待つ。
すると、部室の電気が消えて、帰らずに着替えていた高瀬くんと岡田くんと五十嵐くんがいっしょに出てきた。
「あれ? 吉井、なにしてんの」
岡田くんの言葉に、「高瀬くんに話があって」と答えた。
「ふーん。 じゃあ五十嵐、俺たちは先に帰ろう」
「じゃあな、蒼、吉井」
変に気を遣ってくれたみたいで、ふたりはそう言って先に正門に向かって行った。
「……それで、どうしたの吉井さん」
「高瀬くんにはちゃんと話そうと思って」
「うん」
そう言って、わたしはさっき自分で決意したことを話した。