青春に、寄り道中。

・ 星が降る夜に







月曜日の放課後。
昨日、おとといとわたしはずっと、考えていた。


――沙莉にどう話せばいいんだろうって。


このまま黙っているわけにもいかないし、正直にわたしのこの想いを話すべきだと思ったんだ。



「かすみん?話って?」



わたしは若菜に「準備に遅れる!」とだけ伝えて、教室からわたしと沙莉以外がいなくなるのを待った。



「あのさ……。わたし、沙莉に謝らなきゃいけないことがあるの」

「なにを?」

「わたし、好きな人がいるの」



唐突な言葉に、沙莉は目をまあるくさせた。



「『もう好きじゃない』って言ったけど、わたし、まだその人のことが好きなんだ」

「そうなんだ。 ……でも、謝るって?なにも悪いことじゃないよ?」

「だってわたし、ちゃんと沙莉に言えてなかったから」



本心は、言うのが怖い。
このまま沙莉に嫌われてしまったらどうしようって、不安になってきた。


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