青春に、寄り道中。



「わたしとかすみんはライバルだね! お互いにがんばろう」

「う、うん。ありがとう!」

「あ、どっちかが付き合うことになっても恨みっこなしだよ? ……あ、でもふたりとも振られちゃうかもしれないね」



なんて沙莉は笑って言ったけど、振られるのはわたしだよ。


でも、もし沙莉が付き合うことになっても、わたしは沙莉のことは恨まない。

だってそもそも勝ち目がないことは、わかっているし。




それに、ふたりのことは、まだ応援している。



でも沙莉にわたしの気持ちを言ったことで、届かないにしても高瀬くんに想いを伝える覚悟はできたような気がした。

言わないままより、言って振られたほうがスッキリする。


……わたしは、高瀬くんにこの気持ちを伝えよう。


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