青春に、寄り道中。






次の日、学校に向かう途中、わたしはずっとそわそわしていて。
なんだか地に足がつかないような感じだった。



昨日の夜のことが、なんだかまだ信じられていない。

まさか、夢だったりしないよね……。


わたし、本当に想いを伝えたのかな。
高瀬くんは本当にわたしのことを「好き」と言ったのかな。



「おはよう、吉井さん」



なんて考えながらぼーっと歩いていると、急にブレーキ音が聞こえて、肩がびくんっと跳ねた。



「お、おはよう!」



驚いて心臓がバクバクしながらも、足を止めて高瀬くんにそう返した。



「なんでそんなに驚いてるの?」

「だって……」



高瀬くんはわたしの様子を見て、おかしそうに笑っている。


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