青春に、寄り道中。
3年経ったいまもずっと、忘れることのない悔しさと悲しみ。
どんなに涙を流したって、胸にぽっかり空いた穴はうまらない。
早歩きが、少しずつ走りに変わる。
私はひたすら階段を上って、そしてたどり着いたのは大きな扉の前だった。
屋上……?
重そうなドアのドアノブをぎゅっと握って、時計回りに回してみると。
ドアはカギがかかってないのか、思ったより簡単に開くことができた。
蒸していた制服の中に、ブワッと海風が吹き込んでくる。
空が近くて太陽はまぶしくて、そして海は広く見える。
網のフェンスを両手でぎゅうっと掴んで、真っ青な空が映る海を見ていると、気がつけば涙が頬を伝っていた。
「……っ」
あのときはまだコドモだったから、わたしにはなにもできなかった。
いつかはきっと、前みたいにもどれる。
……そう信じていたけど、なんにも変わっていないよ。