青春に、寄り道中。
「っていうか、ふたりとも早く行こう。お昼食べなきゃだし」
皐くんと言い合っていた若菜だったけれど、我に返ったように、わたしと高瀬くんに向けてそう言った。
「そうだね、行こっか。 沙莉、皐くん、バイバイ!」
「みんながんばってね〜!また明日」
「じゃあなー」
ふたりを置いて、3人で廊下を歩いて部室へと向かう。
だけど先に着替えようってことになって、わたしたちは更衣室に寄って高瀬くんに先に行ってもらうことになった。
「……ねえ、若菜」
「ん?」
始業式の今日、活動がある部活は少ないのか、更衣室にはだれもいなかった。
だからこそ、勇気を出して若菜に話してみることにしたんだ。
……だれかに、相談したかったから。