青春に、寄り道中。
若菜は「どうして?つき合っちゃえばいいのに」って言ってきたけれど、わたしは首を横に振った。
「いまは陸上に集中したいの」
「……ふーん、変なの」
「あはは。でも、これでいいんだ」
「じゃあもしその目標が達成できなかったら……」
そう言われ、わたしは苦笑いを浮かべて「諦める」と言った。
ううん、正しくはこのまま友だちとして……ってことにする。
そしたら沙莉に話すこともないし、傷つけることもなくなるんだよね。
つぎの記録会とかがあるとかは、考えない。
チャンスは……一度きりっていうこと。
わたしは、この学総が終わったら部活はたまに顔を出すだけにするつもりなんだ。
この間連絡がきて、お父さんがお金の面は心配しなくていいっていってたけれど、ずっとこのままじゃダメだと思った。