青春に、寄り道中。





雲ひとつない澄んだ青空に響く、雷管の音や仲間たちの歓声。

――今日は、絶好の大会日和。



パァアンッ!とまた雷管が鳴る。

前の組が出発すると、それぞれの仲間たちの応援する声でワッとうるさくなる。


わたしたちは彼女たちがゴールするのを見届けてから、スタブロのセットを始めた。



最終組、4レーン。
スタブロを触る手も、震えている。

いままでに何回大会を経験してきたって、緊張しないときは一度もなかった。


走ったあとみたいに走る前も胸の鼓動はとっても速いんだ。



青い空、青いスパイク、そして青いトラックに負けずに映える、白いセパレートのユニフォーム。


少しずつ周りがスタート練習を始めたのを見て、わたしも呼吸を整えてから行なった。


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