青春に、寄り道中。
お茶を飲んだりと、陣地で少しゆっくりしていると、スタンドから部員がもどってきた。
「ふたりとも、おつかれ」
岡田くんや後輩たちにそう言われ、若菜と笑顔で「ありがとう」と返した。
「先輩たち、タイム出てましたよ」
「本当? 若菜、見に行こう」
「……うん、そうだね!」
小西くんに教えてもらい、若菜と見に行くことになったけれど、若菜はなんだか曇った表情をしている。
もしかして今日は、調子が良くなかったのかな……。
だったらわたし、悪いことを言っちゃったのかもしれない。
人が集まる掲示板、ようやく前に進めて【女子100m 予選】という紙に目を通していく。
自分の結果よりも先に、若菜の結果が目に入った。
そのタイムはいつもよ若菜よりもかなり遅いものだった。