青春に、寄り道中。



お茶を飲んだりと、陣地で少しゆっくりしていると、スタンドから部員がもどってきた。



「ふたりとも、おつかれ」



岡田くんや後輩たちにそう言われ、若菜と笑顔で「ありがとう」と返した。



「先輩たち、タイム出てましたよ」

「本当? 若菜、見に行こう」

「……うん、そうだね!」



小西くんに教えてもらい、若菜と見に行くことになったけれど、若菜はなんだか曇った表情をしている。


もしかして今日は、調子が良くなかったのかな……。

だったらわたし、悪いことを言っちゃったのかもしれない。



人が集まる掲示板、ようやく前に進めて【女子100m 予選】という紙に目を通していく。

自分の結果よりも先に、若菜の結果が目に入った。

そのタイムはいつもよ若菜よりもかなり遅いものだった。


< 321 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop