青春に、寄り道中。
「1レーン、○○高校、田中さん」
名前を呼ばれた子は右手を挙げながら一歩前に出て、一礼した。
2レーン、3レーンも紹介されて。
次は、わたしの番。
「4レーン、△△高校、吉井さん」
みんなと同じように、右手を挙げて一歩前に出て、一礼をする。
会場には、お母さんはもちろん休みを取ってくれたお父さん、それに歩夢。
そして沙莉も皐くんも、見に来てくれている。
それだけじゃない、部員のみんなも。
応援してくれているみんなに、良い走りをして、良い結果を出したい。
「On your marks……」
みんなの紹介が終わると会場は静かになり、スターターの声が響き渡った。
「お願いします!」
頭を下げて、スタートに着く。