青春に、寄り道中。
・ 近道なんてわからない
波の音を聞くと、なんだか落ち着く。
真っ青な空と空の色が映った青い海をぼーっと見ていると、気がつけばツーッと頬を涙が伝っていた。
……なんにも成長していないな、わたし。
この景色を見た小学生のときから高校生になったいま、わたしにはなにかひとつでも成長したところはあるのかな。
あのころ描いていた未来の高校生像は、もっとオトナっぽくてキラキラしているものだった。
それとまったくちがうわたしは、きっとまだオトナにはなれていないんだ。
高校1年生になった去年、周りから言われ始めた「もうオトナなんだから」という言葉。
だけどね、実感がないんだ。
心はまだコドモのときから変わっていないんだから。