青春に、寄り道中。



「皐は置いといて。 あたしも友だちね」

「あっ、わたしも!」



みんなが返事を待つように、わたしのことを見てくる。

そんな姿に思わず笑ってしまってから、「もちろん!」と答えた。



「そうだ! 華純ちゃんって呼んでもいい?」



その後、楽しそうな4人の話を聞きながらお弁当を食べていると、大谷さんがそう聞いてきた。



「いいよ」

「じゃああたしも華純って呼ぶ。 あたしのことも若菜でいいよ」

「わたしのことも、下の名前で呼んで!」



笑顔のふたりにそう言われて、うれしくって思わず口元が緩んだ。



「うん、わかった。 若菜と沙莉ね」



“ありがとう”という気持ちもこめながらそう言うと、ふたりは「うん!」とうなずいてくれた。


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