青春に、寄り道中。
でも、どうしようかなあ。
うなずいたのはいいけれど、ちょっと迷う。
……だって、こんな楽しそうな4人の仲に入るのって申し訳ないし。
わたしこの関係を壊してしまったら……。
そう考えるだけで胸が切なくなる。
「どうした?」
みんなのうしろで歩きながらそんなことを考えていると、高瀬くんだけ歩くスピードを緩めて、隣に並んできた。
「どうもしないよ」
「……そう?」
「うん」
廊下を歩いてるだけで、女の子たちの視線が高瀬くんに集まっているのがわかる。
だから、なんかちょっと隣を歩きづらい。
「笑ってるほうがいい」
「……え?」
高瀬くんの言葉に、うつむかせていた顔を上げる。
「吉井さんの笑顔、好きだよ」
ぽつりと周りの人に聞こえないくらいの声で、高瀬くんは少しかがんでわたしの耳元でつぶやいた。