青春に、寄り道中。



わたしがコドモだったから、中2のときに親が離婚するということになってもなにもできなかった。


だけど離婚するのをもう一度考えて欲しいとずっと思っていた。

だってわたしは、お母さんもお父さんも歩夢のことも、大好きだったから。
みんなでいる時間が大好きだった。


いくらお母さんたちの仲が良くなくても、家族4人でいるときはいつも、みんな笑ってたから。

……だから、離婚するとかそんなこと考えてもいなかったんだ。



わたしがオトナだったら、もしかしたら両親は離婚することはなかったかもしれない。

そう思うだけで胸が張り裂けそうなくらい、息苦しくなる。



わたしとお母さんのふたりだけの生活が始まったあとも、そう考えては後悔していつもこっそり泣いていた。


専業主婦だったお母さんは慣れない仕事を始めて、わたしは朝ごはんも晩ごはんもひとりで食べることになった。


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