青春に、寄り道中。
だって、言えないし……。
なんて返そうか悩みながらもうつむかせていた顔を上げると、まっすぐにわたしを見る高瀬くんと目があった。
「わ、わたしだってひとりで食べたいときもある」
「……そっか」
さっきまでは真顔だったけど、高瀬くんのその柔らかい表情を見てほっとした。
そんなわたしの前で同じようにお弁当を広げる高瀬くん。
「高瀬くん、行かないの?」
「うん、いいよ」
「でもみんなきっと待ってるよ」
「平気だよ」
高瀬くんの優しい笑顔を見て、わたしもそれ以上なにも言わないことにした。
きっとわたしがここでひとりで食べるのを見かねて、行くに行けなくなったんだろう。
やっぱり、優しいよ。
だからこそすごく申し訳ない。