青春に、寄り道中。



お母さんは中学生のわたしのために必死で働いてくれていて。

そんなお母さんにいつも「ありがとう」って感謝の気持ちを言ってた。

だけど本当は、すごくすごくさみしかったんだ。


それでも大好きな陸上に引退するまで打ち込んで、そのさみしさも後悔もそのときだけでも忘れようとしていた。


そしてそのまま高校生に上がって、わたしはまた陸上部に入った。


そしてわたしは、入ってすぐの大会で出た100メートルで、自己ベストを出した。

いままでになかったような感覚で、わたしは初めて風になったような……そんな感じの走りができたんだ。



わたし自身すごくうれしかった。

だけどそのタイムは、部の中で一番速いって言われてた部長さんの自己ベストよりも0.5秒も速いタイムだった。


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