青春に、寄り道中。
わたしなんかのためにわざわざここまでしてくるなんて、思ってもなかった。
「もう、なんで華純はうちらのこと避けてるの?」
「避けてるわけじゃ……」
「かすみん、ほら行こうよ。みんなでいっしょに食べよーぜ」
左隣を歩く若菜は眉間にシワを寄せて、前にいる橋本くんは相変わらずにこにこ笑ってる。
沙莉に右腕を掴まれた私は、そのまま引きづられるようにして廊下を食堂に向かって歩かされる。
沙莉の身長は150センチくらい。
どっちかっていうと小柄なほうなのに、どっからそんな力が出てきてるんだろうと不思議になるくらい、力が強い。
「華純はさあ、あたしたちとご飯食べるのいやなの?」
「いやじゃないよ!」
思わず大声でそう言うと、若菜は目をまん丸にして驚いた顔をした。
そしてすぐに笑顔になった。