青春に、寄り道中。



そのタイムを出したわたしは、もちろん次の大会でリレーのAチームのメンバーに選ばれた。


もともとのメンバーは部長を含めた4人の3年生の先輩だった。

だけどわたしが入ったことによって、ひとりの先輩がメンバーから落ちてしまった。


その先輩にとって、最後の大会だった。

最後の大会でいつもいっしょに練習していたメンバーと走ることができないとわかったとき、先輩は悔しそうに泣いていた。


……わたしがちゃんと周りを見ることができないコドモだったから、その先輩を傷つけてしまったんだ。



謝ることもできずに、先輩たちは引退していってしまった。



ーーそれからだった。

部長さんのタイムを抜かして、それに先輩をリレーメンバーから落としてしまったわたしに、2年の先輩や同い年の子からのいやがらせが始まったのは。


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