青春に、寄り道中。



陰で「生意気」だとか「調子乗るな」って、言われていたことも知っている。


お母さんに買ってもらった大切なスパイクを、部室のロッカーに入れていたらどこかに隠されたこともあった。


しかもそれは、部活内だけじゃ止まらなかった。

部活の同級生の子がわたしのありもしないうわさを流したりして、気がつけばクラスでも学校でも孤立した存在になった。

部活はちがったけれど、クラスで仲の良かった友だちからも無視された。


本当に、辛かった……。
それでも無我夢中に走り続けた。



そのことに悩んではいたけど相談できる相手もいなくて、お母さんにももちろん心配かけたくなくて言っていなかった。



だけどお母さんは、そんなふうにして悩んでいるわたしの様子に気づいていたんだ。



そんなとき、おばあちゃんが病気で倒れた知らせを受けた。

おじいちゃんはわたしが小学校にあげてすぐに亡くなってしまっていたから、そばにいられるのはわたしたちしかいなかった。


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