青春に、寄り道中。
スターターはいま怪我をしていて運動できない早川くんがやってくれる。
こういうのはふつうマネージャーとかがやるけど、いまはいないから代わりに怪我をしている早川くんの仕事らしい。
「1本目行きまーす! 行きます、よーいはい!」
その掛け声に、スタンディングで合図を待っていた岡田くんと五十嵐くんと小西くんは一斉にスタートをした。
設定タイムは、自己ベスト+1秒。
それより遅くならないように、先生がカウントするタイムをよく聞かなきゃいけないんだ。
男子がゴールすると、次はわたしたちの番。
あーやっぱり、ちょっと緊張してる。
「行きまーす、よーいはい!」
「はい」という声と同時に叩かれた手の音に合わせて、スタートを切る。
クラウンチングじゃないと、やっぱりスタートはやりにくい。