青春に、寄り道中。
堤防まできたところで、わたしは河川敷に下りる、芝生の坂の途中に腰を下ろした。
今日は部活がない日。
だからその日は朝か放課後に自主練をしようとずっと考えていて、ようやく今日に行動に移すことができた。
でも、朝に自主練しちゃうと学校で寝ちゃいそうだなあ。
なんて思いながらも、そろそろ始めようかなあと立ち上がろうとしたとき。
「吉井さん?」という声が聞こえて、後ろを振り返った。
「あ、高瀬くん。おはよう!」
「おはよ」
高瀬くん、ここら辺に住んでるのかな。
「早いね。もう学校行くの?」
この時間だと、学校に着くのはたぶん7時半くらい。
登校時間は8時半までだから、それだと1時間も前に学校に着くことになる。
「今日 漢字の小テストあるから、早く行って勉強しようと思って」
「そうなんだ」
勉強するだなんて、えらいなあ。