好きになるはずだった君は
だから昼休み、トイレでびしょびしょになって座って泣いている未央に近づい


て、周りに誰もいないことを確認して、未央と同じ目線に座って、私は言った






「ごめん。でもね、未央。私は未央の味方だから。」



そして私が立ち去ろうとすると、



「じゃあ、助けてよ。」



ひっく、ひっくと泣きながら、でも、はっきりと未央が言った。



そんなの、私が出来るわけないでしょ。分かってよ、未央。私は、関わりたく


ないの。



「無理。先生に言えば?あと、私今日から未央と一緒に帰れないから。ご飯も


、勉強も、休み時間も。一緒は、無理だから。」



なるべく強い口調で未央に言い返す。



言い過ぎたかな、でも未央だって私にこんな風に言ったよね。お互い様だよね






「じゃあ!私は!どうすればいいの!?」



未央がガッと立ち上がり、私の腕を掴む(つかむ)。水か涙かよく分からないほど


泣いていて、目は私をキッと睨んで(にらんで)いる。



そんなの、分かんないよ。私を、睨まないでよ。それじやあ、私が悪者みたい


じゃん。



もう、ここにいるのが辛くなって、私は手を振り払った。



「そんなの知らないよ。頑張って。私は未央の味方だから。」



未央はカッと目を見開き、その後、力を無くしたように座りこみ、最初と同じ


ようにうっ、うっ、と嗚咽(おえつ)を漏らし始めた。私はここから出ていった。



「嘘つき。」



そんなこと、言わないで。



ここは、地獄学校。
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