鬼姫伝説 Ⅱ
壱
祟られた神社
全ては、ここに生まれついたことから始まったんだ。
六歳の誕生日、大好きだった両親が亡くなった。
誕生日のお祝いにと出かけた旅行先での交通事故。
車が大破するほどの大きな事故だったというのに、私は奇跡的に助かり命を繋げた。
それから10年。
私は、祖父母のもとで育てられた。
「千菜、お弁当忘れてるよ」
「あ、ばぁちゃん、ありがとう!いってきます!」
玄関までお弁当を届けてくれたおばあちゃん。
すっかり腰も曲がって、歩くのもしんどそう。
私は元気よく挨拶をして飛び出した。
私の家は、神社。
神社の境内の中に家もあって、毎朝鳥居をくぐり石段を下りて学校に向かう。
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