鬼姫伝説 Ⅱ
「余計なことを考えて不安になるな」
「・・・うん」
そうだよね。
いくら私が生まれ変わりだったとしても、私は千代さんの代わりにはなれない。
顔が似ていたからって、きっと性格だって違う。
鬼羅と千代さんの思い出だって私は持っていないのだし。
胸が鉛のように重い。
どうしてだろう。
こんなにも。
まるで、自分の心じゃないみたいだ。
夢を見た。
誰かが泣いている夢。
―・・・鬼羅っ・・・ああっ・・・触れたい・・・
その声が鬼羅を呼んでる。
―・・・鬼羅に触れたい・・・・
誰・・・・・?