鬼姫伝説 Ⅱ
「ちぃちゃん・・・」
「琉鬼・・・。琉鬼にも、また会いたかった・・・」
「お、俺だって・・・」
琉鬼は瞳に浮かんだ涙を片手で乱暴に拭いながらそう言った。
会いたかった。
またこうして、三人で・・・。
そんな日が来ることはないと知っていながらも。
「また会えてうれしい・・・。ああ、こんなに近くに二人を感じられるなんて」
「千代・・・、すまなかった。俺は、俺のせいで・・・」
「いいのです・・・。鬼羅がこうして生きているのだから・・・」
長く離れていた時を埋めるように見つめ合い、語り合い、触れ合った。
まるであの頃に戻ったかのように。
「ああ、・・・ずっとこのまま・・・側に・・・」
ふっと力が抜けたように足元から崩れていく千代を慌てて鬼羅が抱きとめる。
千代は、瞳を閉じ力なく鬼羅に抱きしめられていた。
「・・・ん・・・」
次の瞬間、唸り声をあげゆっくりと再び瞳が開かれていった。