鬼姫伝説 Ⅱ
「・・・あれ?なんで私ここに・・・って、なんで鬼羅に抱きしめられてるの!?」
目をあけると鬼羅のドアップで、慌てて突き飛ばすようにして体を離した。
気づけば小屋の外に出ているし、魚の焼けるいい匂いが・・・。
あれ?
琉鬼くんまで側にいるし、一体どうしちゃったの?
「ち、千菜ちゃん?」
「え?な、なに?」
「なにも覚えていないのか?」
二人に詰め寄られ、戸惑う。
覚えてないってなに?
私、寝ぼけて何かしたの?
「・・・っ・・・」
急にフラッと立ちくらみがして慌てて側にいた鬼羅を掴んだ。
どうしたんだろう、頭が割れるように痛い。
「どうした?」
「ごめ・・・、ちょっと頭が・・・」
「痛むのか?少し座るといい」
私をその場にそっと座らせてくれた鬼羅。
私はその頭痛が収まるまで鬼羅にもたれてじっとしていた。