鬼姫伝説 Ⅱ
鬼羅が求めている千代さん・・・。
―あなただって気づいているはずです。鬼羅が、誰を求めているのか・・・
鬼羅が求めているもの・・・。
わかってる。
それが私じゃないことくらい。
―この身体に相応しいのは誰なのか・・・お見せいたします
意識が奥においやられているような感覚。
自分の身体が自分のモノじゃないみたい。
自分の身体の中、それもずっと奥の方で見ているような感覚だ。
私の身体が勝手に起き上がる。
これは、千代さんが動かしているの?
私の身体は、小屋の扉を開きその先にいる鬼羅のもとに向かっていた。
「・・・千菜。もう身体はよいのか?」
「鬼羅」
私の声で、鬼羅を呼ぶ。
でも、呼んでいるのは私じゃない。