鬼姫伝説 Ⅱ
「大丈夫か?千菜・・・だよな?」
心配そうな鬼羅の表情。
それは、私に対しての思いだろうか。
千代さんは、一体どうなってしまったの?
――鬼羅の事、頼みましたよ・・・
あの声は。
千代さんの?
鬼羅の事・・・。
私には、ムリ。
だって、鬼羅は。
「泣くな」
いつの間にか泣いていたらしい私の涙は、鬼羅の指が拭ってくれる。
それでも、ポロポロと際限なく流れる涙の止め方を私はわからない。
これは、誰の涙なの。
私?
それとも――――――。
「千菜ちゃん、よかった」
よかった?
本当に、よかった?