鬼姫伝説 Ⅱ
「今日はもう休め」
「うん・・・」
苦しい。
辛い。
悲しい。
鬼羅を思えば思うほど胸が苦しい。
ああ、頭の中がグルグルする。
グルグルして、もう、なにも考えたくないの。
「おやすみ、千菜」
鬼羅が呼んでくれる名前が優しくて。
なんだか無性に涙が流れた。
それでもそれを気づかれたくなくて。
私は鬼羅から顔を背けたんだ。
鬼羅の事を想う。
鬼羅の事が好き―――――――。
いつの間にか、私。