鬼姫伝説 Ⅱ
「もういいのか?」
次の日の朝。
起きてきた私に、鬼羅は優しく声をかける。
どうしてこんなに優しいのだろうか。
鬼羅は、こんなに優しかった?
「鬼羅、・・・本当に、よかったの?」
「なにがだ?」
「千代さんの事・・・。私、戻ってきて、本当によかったのかな」
怖いけれど。
聞かなくちゃ。
私は、ここにいてもいいのか。
「その体は、お前のものだ。ダメなわけがないだろう。千代は死んだ。もう、居ないのだ」
「・・・そうだけど、私の事考えなかったら。鬼羅は、千代さんといたかったはずでしょう?」
苦しいけど。
それは、事実でしょう?
「俺が、どうしたいとか、そんなものは、理由にはならない。これが、現実で、正しい道なんだ」
曲げられないと。
諦めるしかないと。