鬼姫伝説 Ⅱ
しばらくしてやってきた侍女に、純白の衣装を着せられる。
されるがままに着替えさせられ私は婚儀が行われる部屋へ連れて行かれた。
同じく、着替えを終えた時光がもうそこに待っていて私はその隣に座らされる。
結婚なんて、したくない。
好きでもない人となんて・・・。
でも・・・。
こうするしかないのだ。
鬼羅たちを、護るためには。
「なかなか、いいではないか」
「・・・っ」
時光の言葉に返事なんてしない。
こんな女いらないと言われるくらい、感じ悪い女でいてやるんだから。
手が、震える。
覚悟を決めたはずなのに。
私はその震えを抑えるようにギュッと握り目を固く閉じた。