鬼姫伝説 Ⅱ
ガン!!!
大きな音がして、辺りが騒然となる。
人の悲鳴が上がり、バタバタと慌ただしくなる回りに、私は目をあけた。
「貴様!」
隣にいた時光が立ち上がる。
私は、目の前の光景に涙がこみ上げた。
「勝手に連れて行かれては困る。その女は、貴様には渡さん!」
刀を手に、襖を壊して入ってきた鬼羅。
時光を睨みつけ、刀を時光に向けた。
「おのれ!捕えよ!!」
時光の命に、家臣たちが刀を手に集まってくる。
鬼羅に襲っていく家臣たちを、鬼羅は交わしては一太刀くらわせ、いなしていく。
鮮やかな体さばきに、思わず見惚れてしまう。
家臣たちはあっという間に伸されてしまった。