鬼姫伝説 Ⅱ
「おのれ!」
時光が自ら刀を手に立ち向かう。
少しだけ、息のあがった鬼羅は態勢を低く構えながら肩で息をしている。
「き、鬼羅・・・っ」
どうして・・・。
私を助けに来てくれたの?
時光と鬼羅が刀を合わせ、ギリギリと押し合う。
一度間合いを取った後、時光が振り下ろした刀を鬼羅が薙ぎ払いそのまま足で腹部を思い切り蹴り飛ばした。
「ぐふっ」
部屋の端まで吹き飛ばされた時光は苦しそうに悶える。
鬼羅が私のもとに来て、私の腕を掴んだ。
「行くぞ」
「う、んっ・・・」
一緒に駆け出した瞬間。
ドンッ!
鈍い音がした。
「っ」
鬼羅が、顔をしかめる。