鬼姫伝説 Ⅱ
呪いからの解放
「ごめん・・・。ごめんね・・・。私のせいで・・・」
私は何度も謝りながら、鬼羅の肩に包帯を巻いていく。
私のせいで、ケガをしてしまった。
私の、呪いのせいで・・・。
「お前のせいではない。いちいち謝るな」
「だって・・・っ」
ポロポロと溢れる涙。
胸が痛いよ。
苦しくて、悔しくて。
「俺は、人間とは違う。だから、これくらいの怪我、大したことではない」
「う、うん」
「わかったらその涙をひっこめろ。めんどくさい」
眉を顰めふいと顔をそらした鬼羅。
私は涙を腕でごしごし乱暴に拭う。
もう泣かない。
悲劇のヒロインは、やめるんだ。
「鬼羅・・・。私ね」