鬼姫伝説 Ⅱ
「でも、私が時光のところにいかなかったら、時光は鬼に攻撃するって言ってた。そんな事、絶対にさせない。私、鬼羅の事が好きだから。私が鬼羅たちを、護りたいの」
自分でも馬鹿げていると思うの。
でも、溢れだしたすきという気持ちは止まらなくて。
その気持ちを大事にしたいから。
「鬼羅が、私を見てくれなくていい。わかってるから、だから、私は。少しでも、私が鬼羅の事を好きだって証を残したい」
もう傷付ける自分はいやだ。
傷付けることを恐れて、人を好きになることを諦めてた今までみたいな自分はいやなの。
護りたい。
大切な人を。
大切な場所を。
「私、時光のところに行く。正室になって、千代さんとして生きていく」
どうせ、消したいと思っていた命。
“千菜”を捨ててもいい。
千代さんが、護った鬼羅の命を、ここで私が消すわけにはいかないの。
それが、私が出した答えだから。