鬼姫伝説 Ⅱ



「大好きだよ、鬼羅」





そう告げた。
人生初めての告白。

涙でぐしゃぐしゃで、かっこのつかない告白だけど。
私の精一杯の告白。

最後は笑って。



鬼羅に、笑顔を覚えてもらうの。





「バイバイ」




立ち上がり、歩き出す。
振り返りはしない。

だって私は。





「ふざけるな」





後ろから伸びてきた手が私の腕を掴む。
引き寄せられ振り向かされた私は鬼羅と向かい合う。
鬼羅は眉を寄せ怒りを露わにしていた。




「鬼羅・・・」

「勝手なことばかり言い捨てて、なにがバイバイなのだ」




鬼羅が掴む腕が痛い。



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