鬼姫伝説 Ⅱ



「あいつのところに戻るだと?お前、本気で言ってんのか」

「・・・本気だよ!どっちにしたって、私がここにいたら鬼羅たちは不幸になるの!」

「だからそれは、呪いをとく方法を探してると言っただろう!」

「でも!もし、見つからなかったら・・・!」





私にはこうすることしか思いつかない。
助けてくれたのは嬉しいけど。





「俺を信じろ!」

「・・・っ」

「お前の呪いは、絶対に解く!時光が襲ってきても、絶対にお前を護ってやる!だから、あいつのところに行こうなんて思うな!犠牲になろうなんて思うな!」




力強い瞳が私を刺す。
唇を噛みしめていないと泣いてしまいそうで。





「確かに俺は、千代の事を愛していた。初めて、好きになった人間だ。忘れられるわけない」




そんな事、知ってる。
だから、私望んでない。
鬼羅に好きになってもらおうなんて、思ってない。




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