鬼姫伝説 Ⅱ



鬼羅は千代さんを忘れられない。



そんないびつな私たちの関係。
それでも。
その上で、鬼羅を愛すると決めた。




何度も角度を変えて繰り返される口づけに、身も心も蕩けていくようで。





身体を這う鬼羅の大きな掌が。
小さく聞こえる甘い吐息が。



私の心を支配していく。





甘い甘い世界へと私を誘って。





溺れていく。






甘く切ないこの愛へと。






もう、抜け出すことなどできない―――――――。






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