鬼姫伝説 Ⅱ
「ご、ごめん・・・琉鬼くん」
着物を着終えると、扉を開きおずおずと琉鬼くんに謝った。
扉の向こうで待っていてくれた琉鬼くんは私の姿を見るとにっこりほほ笑んだ。
「ううん。ごめんね、突然扉開けちゃって」
「う、ううん・・・」
「うまくいったみたいでよかった」
「ご、ごめん・・・。琉鬼くんにも助けてもらって、すぐにでもお礼に行かなきゃいけなかったのに」
昨日、助けてもらった後軽くお礼は言ったけど、すぐに琉鬼くんはでかけてしまったんだ。
だから私が鬼羅の手当てをしてそれから・・・。
恥ずかしくて顔を染める。
「それなのに、そんな時に・・・」
それ以上言えなくて口ごもる。
「あはは、そんな事気にしてた?いいよ、別に」
「・・・でも、ごめん」
「千菜ちゃんにも、鬼羅にも幸せになってもらいたいって思ってたから。俺はいいんだ」
琉鬼くんがそう言って笑った。