鬼姫伝説 Ⅱ
鬼羅とやってきたのは、あの河原。
少しだけ、苦い思い出になってるこの場所。
「どうしてここに来たの?」
「・・・泣いていないお前を、ここで見たかった」
サラリと言い放つ鬼羅。
それって、この場所をいい思い出に変えようとしてくれてるってこと?
なにそれ、すごく嬉しいんですけど!
「なんか、鬼羅って・・・キザね」
「きざ?なんだそれは」
「秘密」
なんとなく秘密にしたくてそう言うと、鬼羅が不機嫌そうに睨みつけた。
私はケラケラと笑うと鬼羅の隣にすり寄った。
「これを、受け取ってくれるか」
「え?」
それは、綺麗なくし。
赤色をベースに小さな花が描かれている。
可愛い。