鬼姫伝説 Ⅱ
護るべきもの
「千菜は、ずっと先の世界から来たと言っていたな」
ふと鬼羅がそんなことを聞いてきた。
私たちはご飯を食べている最中。
「え?あ、うん」
「どうやってここに来たのだ」
「どうやって・・・」
そう聞かれて、私は首をかしげる。
そんな事、私にだってわからないのだ。
気づいたらここにいた。
しいて言えば・・・。
「神社で・・・、誰も知らない場所に連れてってって願ったかも・・・」
大好きなおばあちゃんまで倒れて、絶望に打ちひしがれてて。
自分なんか、いなくなってしまった方がいいって。
「神頼み・・・そんなものでこれるものなのか」
「いや、普通は無理なんじゃない?私だって、こんな事今までなかったんだもの」
そんな話聞いたこともないし。