鬼姫伝説 Ⅱ
考えれば考えるほど、辻褄が合う。
でも、そんなことって・・・。
「おい女!殿が顔をあげろと申されておるわ!打ち首にされたいのか!」
男が声を荒げる。
私は仕方なく体をどうにか起こして顔を向けた。
そこには立派な着物を身に纏う切れ長の目をした男がいた。
その男と目があった瞬間、険しく寄せられていた眉が驚いたように上にあがる。
目は見開かれ、口があんぐりと開いた。
「え・・・?」
「千代・・・、千代ではないか!?なぜだ・・・?そんなまさか・・・・、あれは確かに死んだはず・・・」
殿と呼ばれた男は私に飛びかかるようにして駆け寄ると私の顔をまじまじと見る。
まるで化け物でも見たかのような驚き様に戸惑う。
今、千代って言った?
千代って誰?
私と誰を見間違えてるの?
「顔をよくみせてみろ。お前は、生きていたのか・・・?あの場所でなにをしておった」
捲し立てるように男は言った。