鬼姫伝説 Ⅱ
「でも、じゃあ、千菜ちゃんが戻る方法もわからないんだね」
「え・・・、あ・・・」
琉鬼くんの言葉を聞いてハッとする。
戻る方法。
そうか、私。
「考えてなかった」
「ん?」
「戻ることなんて、考えてなかった。私、ここで鬼羅と、琉鬼くんたちと生きてくつもりになってたから」
おばあちゃんの事は心配。
恵だって。
でも、好きな人ができた。
この場所に、大切な人ができたんだ。
「そっか」
琉鬼くんが嬉しそうに笑う。
「千菜は、それでいいのか?」
「え?うん。私は、鬼羅と一緒にいたい」
迷わない。
そう決めた。
この世界で生きていく覚悟もできてる。