鬼姫伝説 Ⅱ
「ん?」
琉鬼くんが顔をあげ振り向く。
何かあっただろうか?
鬼羅たちは、鬼だから人間よりもいろいろとすぐれているらしい。
聴覚とか視覚とか。
だから、私に聞こえない何かが聞こえたのかな?
「鬼羅」
「ああ」
険しい表情になった二人が立ち上がる。
胸騒ぎを覚え、私は戸惑いながら同じように立ち上がった。
「千菜はここにいろ」
「なにが起きてるの?」
「・・・時光が動き出した」
「それも、かなりの軍勢だ」
時光・・・!
そうだ。
鬼の討伐を行うって。
本気で、戦いに来るつもりなんだ。
恐怖に体が震える。