鬼姫伝説 Ⅱ
「大丈夫だ。俺が、必ずお前を護る」
鬼羅が安心させるように私の背中を撫でる。
私は鬼羅を見上げ、唇を噛みしめる。
不安な顔をしちゃダメ。
鬼羅を信じるのよ。
「うん。鬼羅も、絶対に死んじゃダメ」
「わかっている。お前を残して、死んだりしない」
「絶対よ」
鬼羅が強いことは知っている。
でも、それでもどうしても不安は尽きない。
しかも、これは私のせいで引き起こされている争いだ。
胸が痛い。
「琉鬼くんも、死なないで」
「うん。わかってるよ、千菜ちゃん」
安心させるように微笑む琉鬼くん。
私は同じように微笑を作り頷いた。
信じてる。
絶対、生きて帰ってきて。