鬼姫伝説 Ⅱ
なにもできない自分がもどかしい。
一緒に戦えたらいいのに。
私は、鬼羅の負担になってはいない?
二人を見送りながらそんなことを思う。
「お願い・・・無事で」
これから幾度、こんな思いをするだろう。
ここは戦国時代。
きっと、これから先もこういった争いは絶えないだろう。
もしかしたら、人間同士の戦の犠牲にだってなるかもしれない。
その度に、不安になって。
私は待っているだけで。
隠れているだけで。
不安に胸が押しつぶされそう。
「鬼羅・・・」
そっと小屋の外を見る。
そして、私は目を疑った。
想像以上の、敵の数。
森の中を埋め尽くすように時光の軍勢がいたのだ。
「う、そ・・・」
あんな軍勢を、相手にする?
そんなの、無茶だわ。