鬼姫伝説 Ⅱ
「愛している、千菜。これからも、ずっとだ」
そういって、くれた口づけはとても甘く切ないものだった。
名残惜しそうに離れた唇。
鬼羅は少し笑って。
「お前は、必ず守る」
鬼羅が、私の腕を掴んだ。
そのまま私を祠の側に連れて行く。
「き、鬼羅・・・?」
鬼羅のしようとしていることがわからなくて不安になる。
まるで、最後みたいな言葉。
「千代!頼みがある。千菜を、元の世へ送り届けてほしい!」
「き、鬼羅!?」
鬼羅の言葉に耳を疑う。
それって、私に元の世界に戻れということ!?
「なんで!」
「ずっと考えていたんだ。時光の軍勢と戦いながら。お前が生きる道を」
「それが、私が元の世界に戻ることなの!?」